インプラント専門用語 |
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インプラントの領域で使われる用語は歯科医師の中にも知らない人がいるほど専門的で難解な言葉が多くあります。 ここでは実際の術式に関連するものの中であまり解説を見かけないものについて紹介します。順次追加の予定です。
歯槽骨の高さや幅が足りない場合、別の部位から取ってきた患者さん本人の骨を歯槽骨にもってくる方法が、骨移植です。自分の骨を移植するので、自家骨移植とも呼ばれます。本人の骨を使うのは、拒否反応の危険がなく、骨どうしの接着が良好に行える安全な方法であるためです。 骨をもってくる部位としては、オトガイ部と呼ばれる下顎の前部の骨を使う場合が多いのですが、その場合は上皮を切開して骨を露出させて、骨ノミという特殊なノミを使って骨を薄く割って取り、これを歯槽骨に付着させるか、骨を顆粒状にして歯槽骨上に盛り上げ、GBRと併用する方法が採られます。オトガイ部のほかに利用できる部位は、上顎結節部、下顎上行枝、前鼻棘部などがあります。
GBR(Guided Bone Regeneration=骨再生誘導療法)は、歯槽骨の周りに特殊な布を巻くことで、歯槽骨を太くする方法です。 歯周病が進行すると、嫌気性細菌が骨を溶かし、骨がなくなっていきますが、こうした場合、細菌によって汚れてしまった歯のセメント質には骨が寄ってこなくなります。骨というものは、痩せてしまっても条件がよければ元のように再生するものですが、歯周病の場合は骨の再生を期待することが難しいのです。 歯周病が進むと、歯と歯肉の隙間にできる歯周ポケットが深くなります。深さが4ミリ以上になると、中の歯垢や歯石を取り除くためには、多くの場合、歯と歯肉を剥離して内部を清掃する方法が採られます。清掃後は歯と歯肉を再び密着させるのですが、その後は、上皮、結合組織、骨の順序で再生していきます。つまり、粘着組織の再生スピードが、骨芽細胞の再生スピードよりも早いので、そのままでは創傷部を粘膜組織が覆ってしまうのです。上皮がはじめに再生されると、骨の組織の再生が妨げられるため、骨がふとくなることはありません。 上皮の再生を防ぎ、骨の再生を優先するために、骨とセメント質の上に特殊な布を巻きます。すると、上皮は骨の方には成長しないので、軟組織が骨へ進入することが阻害され、新しい骨ができてくるのです。 この特殊な布はGTAMといって、登山用のレインウェアなどに用いられるゴアッテクスと同じもので、防水性と通気性を兼ね備えた新素材です。GBRで再生された骨は、元の骨と同じものと考えられています。GBRは優れた骨造成法ですので、歯槽骨の幅を広くする場合だけでなく、歯槽骨が低い場合や骨の欠損にも応用できます。 歯槽骨の側方や歯槽頂部への骨の再生を狙う場合は、自家骨移植と併用すると、より一層の効果を上げることが期待できます。 抜歯した後にインプラントを埋入する場合にも、GBRは適用できます。この場合、抜歯してできた穴にインプラントのフィクスチャーを入れるのですが、通常は穴の方が大きすぎるため、まず該当部分の歯肉を切開して歯槽骨を露出させ、フィクスチャーを埋入した後、GTAMで覆って穴をふさぎます。一度切開した歯肉は縫合し、半年ほどの時間を経てから再び切開すると、穴とフィクスチャーとの隙間には骨が再生されています。フィクスチャーはこれで固定できたので、フィクスチャーの上にアバットメントを装着して、インプラント治療が完了します。
上顎の骨のすぐ上には、上顎洞という穴があります。上顎洞は、蓄膿症で炎症を起こす部位である副鼻腔の一部で、この上顎洞があるため、上顎の骨は下額と違ってかなり薄いのが特徴です。 そのため、上顎にインプラントを挿入するには、下顎よりも制限を受けやすいといえます。実際に、上顎にインプラント手術する際には、必ず上顎洞の底の位置を調べ、骨の厚さを確認しておかなければなりません。 人によっては、上顎の骨に十分な厚さがないことがあるために、この部分の骨の量を増やす必要が出てきます。サイナス・リフトの施術法は、上顎の歯槽骨頂から洞底までの距離がインプラント埋入には短い場合に、上顎洞内に造骨の場を求めるケースに使用する方法です。 まず施術しやすいように唇を器具で引っ張り上げて固定し、上顎の粘膜を切開した後、上顎洞側壁の骨を一定の面積切り取って、この骨をドアが開くような形に開けます。骨の内側には、シュナイダー膜(洞底膜)と呼ばれる軟膜があり開ける際には、この膜が破れないように細心の注意を払わなければなりません。 ドアになる部分が切れたら、このドアを洞の内側へ押すように開き、シュナイダー膜を用心深く剥離していきます。開いたところにインプラントのフィクスチャーを埋入するわけですが、開けた空間には隙間なく骨で埋めていって空間をふさぎ、フィクスチャーを固定させます。 ここで使用する骨は、患者さんの顎などから取った自家骨の場合もありますが、ハイドロキシアパタイトなどの人工骨や牛骨を使う場合もあります。自家骨の場合は、免疫反応を起こすことがないため安定した骨造成法だといえますし、成功率も高いのですが、骨を取った部位の回復の問題があり、また、量が少ないため、代用骨としてハイドロキシアパタイトなどを使う場合も少なくありません。 サイナス・リフトは外科的に難しい施術なので、熟練を要します。未熟な医師であれば、鼻腔や副鼻腔などの隣接領域に併発症を起こしかねないため、口腔外科手術の修練を積んだ医師のみが行うことが望ましいのです。
ソケット・リフトは、サイナス・リフトと同様に上顎に適用される造骨法です。サイナス・リフトに比べると、患者さんおよび術者の立場からも、時間的、肉体的、精神的に簡便な治療法ですし、予後もより安定を期待できるため、比較多く用いられる施術だといえます。しかし、裏を返せば簡単に見えるため、より慎重に手術を選択するように注意すべきです。 ソケット・リフトの施術は、サイナス・リフトとは異なり、上顎洞を露出させることなく歯槽骨を破折させるとともに、シュナイダー膜(洞底膜)の弾力を利用して行います。手術は次のような要領で行います。はじめに、上顎の歯肉を切開して歯槽骨を露出させ、顎洞底部骨を専用ツールで槌打してうがち、現れたシュナイダー膜を上顎洞内に押し上げるようにして、膜を剥離していきます。剥離したシュナイダー膜と上顎洞底部の間には隙間ができるので、この隙間を自家骨または人工骨を注射器で填入した後、インプラントのフィクスチャーを埋めます。フィクスチャーの初期固定を確認できれば、粘膜(歯肉)を縫合します。 歯槽骨の高さが4ミリ程度しかない人にも、ソケット・リフトが可能という人もいますし、実際に成功しています。しかし、確実なところでは、3センチ前後の延長が無難な症例です。それ以上の場合は、サイナス・リフトの手術で埋入しています。それでも時には、歯槽骨の高さの2倍の深さでインプラントの埋入が可能になるので、大変有効な治療法だといえるでしょう。
リッジ(ridge)とは、峰という意味で、ここでは山の峰のように高くなっている歯槽骨の堤部を表します。またイクスパンション(expansion)とは拡張、展開という意味です。この療法は、ことばのとおり、歯槽骨の幅を広げる方法で、歯槽骨の幅が狭くてインプラントを埋入できないようであれば、この療法の適用となります。 まず、歯のない歯槽骨上部を歯科用の鋸で削って溝をつくり、この溝を器具を使ってこじ開けるようにして歯槽骨の幅を広げます。「溝をこじ開ける」と書くと、歯槽骨が折れて使いものにならなくなるような気がしますが、案外、骨には弾力性があるものですから、この方法で幅を広げることができるのです。 広がった溝にはめ込むように、フィクスチャーを埋入するので、幅が薄い歯槽骨でもインプラント治療が可能になります。あいたままの溝には、自家骨や人工骨などで隙間を埋めます。
リッジ・イクスパンションとほとんど同じ方法ですが、歯槽骨、おもに骨の軟らかい上顎に適応されます。円柱型の棒を使う方法ですが、小さいものから大きいものまで5〜6種類あり、まず細い骨頂に小さい穴をドリルで開けます。そしてその後、小さい棒から順にその穴に押し込んでいき、最終的には所定のインプラントの太さより0.5ミリ前後小さいホールまで拡大していきます。そして拡大した穴の大きさより0.5ミリほど大きなインプラントを埋入します。 この方法ですと、ドリルで骨を削っていくのとは異なり、骨を押し広げていくわけですから、小さい骨にも応用できますし、加熱による骨の壊死(47℃以上)も防ぐことができ、上顎の軟らかい骨には大変効果の高い方法です。
今まで見てきた方法は、歯槽骨の骨が足りないときに、これを補う技術でしたが、神経移動術は下額のみの臨床です。弊害として起こりうる神経への圧迫や切断を避けるための方法が、神経移動術です。 下顎の内部には下顎管という管があり、この中には下顎管髄という神経の束が入っています。下顎にインプラント治療を施術する場合、フィクスチャーを埋める際に歯槽骨頂から下顎管までの距離がフィクスチャーの長さに足りない場合、1つは前に述べましたように、自家骨移植によって歯槽骨頂の位置を高くします。しかし、こんままドリリングしますと、神経に触れる危険があり、また、ドリルなどが神経に近づいたりしないように、手術前にX線写真を撮って、神経の位置を確かめるのですが、どうしても神経への悪影響が心配される場合には、神経の位置をずらす処置をすることで、インプラント治療を可能にすることができます。これが神経移動術です。 |
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