再生医療




Vol.3  培養骨の移植

今回は患者さんの骨髄液から分離・培養された培養骨の移植についてのお話です。

現在のところ、この培養骨については一般の開業医ではおこなわれていません。したがって、大学等の研究機関での治験例についてお話します。

培養骨の移植は培養された骨を単体で患者さんに移植するわけではなく患者さんから採血した血液からPRPとトロンビンあるいはβ―TCPというもの混ぜ合わせて移植します。

移植部位は歯科領域では抜歯したときの大きな穴・顎の骨が欠損したところ・サイナスリフト時などがありますが今のところインプラント埋入のためサイナスリフトという術式で用いられるのがほとんどです。理由は簡単です。コストがかかるからです。

口腔内という狭い場所で使用される培養骨を含む移植材は多くても10g程度でしょうか。

その内の培養骨自体はほんの数グラムですがこれを培養する費用だけで最低30万円以上かかります。もちろんその他の材料費や手術費用等は含まれません。将来的には費用も下がっていくでしょうが現状では気軽に使用出来ません。

必然的にインプラント手術時の骨補填材料として特に需要の多いサイナス部に使用が限定されます。サイナスリフトは上顎の奥歯の部分にインプラントを埋入したいが骨の量が足りない時、上顎洞の空隙に骨を増骨しインプラントを埋入するものです。

二回法と一回法がありますが培養骨を使用する場合は一回法を選択します。これは従来の骨補填材にくらべ完全に骨が完成するまでの期間が短いのと自己由来の細胞を使っているためなじみがよく、安心して使用できるからです。実際にはインプラント埋入と同時に培養骨を移植します。これまで最も良いとされてきた自家骨に比べてもインプラント体との接触面積(骨へのなじみ度)は10%以上向上しているというデーターも示されています。

いずれにせよ、従来のサイナスリフト法を用いたインプラント治療の治癒期間を半分以下に短縮し、より確実に骨が出来るため、将来的にはインプラント治療のみならず増骨を伴う口腔内の手術で主流の骨補填材となっていくでしょう。



<用語解説>

PRP・・・・多血小板血漿(platelet rich plasms)と呼ばれるもので患者さん自身の血液を遠心分離機にかけ血小板を分離・濃縮したもので組織成長因子を多く含み、これにより骨の再生反応を促進させるものです。

トロンビン・・・・フィブリノゲンという血が固まるときの素となる蛋白質を活性化させフィブリン(血糊)を生成するものです。この場合はPRP・培養骨をゲル化し、まとまりを良くし、骨移植の操作性が向上します。

β−TCP・・・・(カルシウム三燐酸)人工の骨補填材で生態親和性がよく、骨が出来る際のフレームの役割を果たしかつ骨伝道性がある。骨が出来ていくと吸収される。
現在、最も安定した人工の骨補填材といわれている。

サイナスリフト・・・・詳細はインプラント専門用語をご参照下さい。





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