再生医療 |
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骨培養がこれからの医療に必要不可欠と言われるのは急速に進んだ現在の高齢化社会と密接に関係しています。骨の再生能力は年令により大きく異なるのはご存知のとうりです。 高齢者は子供にくらべ骨折の治癒期間が長くなり、骨粗鬆症などを発症することもあります。なぜでしょう? わたしたちの骨の中にはMSCという骨芽細胞を誘導して骨再生をうながす細胞が含まれています。しかし。このMSCの量は高齢になるほど減少し、70歳では子供の10分の1まで減少してしまいます。こうなると、高齢者の方は骨の再生に時間がかかるのは当たり前です。 そこで高齢者の方にも子供並みの骨再生を可能にする技術が骨培養なのです。 実際にはまず、高齢者の骨髄液を腸骨や顎の骨の中から採取します。この骨髄液からMSCを分離します。このMSCを培養し、増やします。大学など臨床治験をおこなっているところでは腸骨から骨髄液を採取しますがこれは顎の骨などたの部位より骨髄液の量が採りやすいからです。骨髄液が少ないと培養が難しいためです。この手法は患者さんの負担も大きく、開業医向けではありません。 しかし、最新のバイオテクノロジーは少量の骨髄液中からでもMSCを培養することを可能にしました。 将来的には患者さんの顎の骨から通常の歯科麻酔をする感覚で採取することが出来るでしょう。こうなれば、患者さんの体にとって非常に少ない負担で骨培養が可能になります。 次回は実際に培養した骨を患者さんに移植する手技についてのお話です。 用語解説 骨芽細胞・・・・一見硬い骨はカルシウムの塊のようにみえますがたんぱく質の一種である、コラーゲンとカルシウムで構成されています。骨はたえず新陳代謝をおこなっており骨の新生と吸収が繰り返されています。この「骨の新生」において骨芽細胞はコラーゲンを作り出し、そこに血液中からはこばれたカルシウムとリン酸塩からなる結晶を付着させて骨が出来ます。 腸骨・・・・骨盤の張り出した位置にある骨で比較的、骨採取しやすくまた、全身に与える影響が少ないとされる。同様の理由でこの部位からの骨髄液の採取が一般的におこなわれている。 |
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