アメリカからの最新インプラント情報





随時更新!アメリカからの最新インプラント情報 Vol. 2



ティッシュエンジニアリングを用いた歯の再生

デンタルインプラントがこの世に登場し、15年以上がたちました。この間たくさんの研究が行われ、確実性のある治療法として確立されつつあるように思います。そして、魔法の杖のような治療になった感さえあります。しかし、デンタルインプラントは、我々が持っている天然の歯にはいまだかないません。天然歯がデンタルインプラントより優れている点は何でしょうか?いくつかありますが、最も大きな違いは、

歯根膜というクッションの役目を果たしたり、歯にかかる過重を感じ取る構造を持っている。

ということだと思います。これにより、微妙な食物の触感を我々は感じられます。我々の天然の歯は直径1mm以下の髪の毛さえすぐさま感じることが出来るのです。したがって、さまざまな食べものを楽しむ我々の食生活満喫するうえで欠く事ができない構造です。

では、天然の歯は人工的に再生できるのでしょうか? ティッシュエンジニアリングを用いた歯の再生は2年前に、アメリカ、ボストンにあるForsyth InstituteにおいてConan Young(Journal of Dental Research参照)らによって、初めてその可能性が示されました。

また、歯を必要としている患者さんは歯周病や外傷によって歯を失った方ばかりではありません。幼児や児童などの子供さんが、アゴの腫瘍により歯とアゴの骨を同時に失うケースもあります。彼らは、歯とアゴの骨の再建が一度に必要になるわけです。私の所属するマサチューセッツ総合病院では、このような患者さんを数多くかかえております。そこで我々は、 Young 博士とともに、歯とアゴの一部の骨を同時に再生させる仕事を始めました。現在は基礎研究段階にありますが、いつの日か、そう遠くない将来に歯はもちろんのこと歯とアゴの骨を同時に再生させること、そして患者さんの人生を明るくすることを信じて我々は研究に日夜励んでおります。


虻川東嗣
歯科医師、博士(医学)
マサチューセッツ総合病院口腔外科/ハーバード大学歯学部






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